
大宮から新幹線とバスを乗り継いで那須「鹿の湯」へ。硫黄の香りに包まれて酸性泉を満喫したあと、ハルアンでロールキャベツのコースランチを味わう平日日帰り一人旅の記録。
平日の休みを利用して、酸性の温泉に行ってきた。車は使わず、鉄道と路線バスだけで那須湯本の「鹿の湯」へ向かうルートだ。現地での温泉滞在はたった1時間だったが、その後の絶品ランチや話題のお土産購入、さらにはバスの待ち時間を活用した徒歩での節約術まで含めて、公共交通だけでも満足感たっぷりの日帰り行程が組めた。
- 導入
- この旅を成り立たせるための3つのポイント
- アクセス:電車+バス(行きだけ新幹線)
- 鹿の湯:滞在約1時間での過ごし方
- 寄り道①:バターのいとこ(お土産)
- 寄り道②:レストラン ハルアンでの絶品ランチ
- バスの待ち時間:歩いて100円の節約
- 当日のルートまとめ・費用メモ
- 締め
導入
たまに、無性に蔵王温泉のような酸性の湯に浸かりたくなることがある。
日々の生活で肌にまとわりついた疲れを、ピリッ湯で落としたくなるからだ。
条件は日帰り&移動は公共交通のみ。
この条件を満たす行き先として、今回は那須湯本にある「鹿の湯」を選んだ。
今まで、那須というと「車がないと不便」というイメージがあった。
山間の観光地であるがゆえに施設同士が離れており、路線バスのダイヤに縛られると身動きが取りづらい印象があったからだ。
だが、実際に足を運んでみると、公共交通機関だけでも十分に楽しむことができた。
ただ移動するだけでなく、「本格的な酸性泉」と「コースで味わう豪華なランチ」を無理なく組み合わせられたのだ。
車なしの日帰りでも、これだけ充実した1日を過ごせるということご紹介。

この旅を成り立たせるための3つのポイント
車なしの日帰り旅を手軽で疲れの少ないものにするには、いくつかのポイントがあることに気づいた。
今回、実際に那須を回ってみて実感したポイントは以下の3点だ。
- 行きは新幹線を使って体力と時間を温存する
- 鹿の湯は短時間でも満足度が高い場所だと割り切る
- 帰りの寄り道や、待ち時間の徒歩移動も組み込んで道中を持て余さない
あれもこれもと欲張ってあちこちの観光施設を詰め込むのではなく、体力とお金の使い所を「温泉とメシ」に絞る。
これが、帰宅したあとにぐったり寝込むことなく、純粋な回復感だけを残す秘訣だ。
アクセス:電車+バス(行きだけ新幹線)
旅のスタートは大宮駅。まずは宇都宮線のラピッドで小山駅へ。
そこから東北新幹線「なすの」に乗り換えて那須塩原駅まで一気に進み、路線バスで那須湯本へと山を登るルートをとった。
| 区間 | 手段 | 乗換ポイント | メモ |
|---|---|---|---|
| 大宮 → 小山 | JR宇都宮線(ラピッド) | 小山駅 | 8:54小山着 |
| 小山 → 那須塩原 | 東北新幹線なすの253 | 那須塩原駅 | 自由席(1号車乗車) |
| 那須塩原駅 → 湯本2丁目 | 関東自動車バス | - | (メモ欄:運賃・時刻) |
行きの区間にだけ新幹線を挟んだのは、混む前に温泉に着くための時間短縮と体力の温存だ。
往路のすべてを在来線とバスだけにすると、現地に到着した時点で疲れがたまり、また混雑も避けられない。せっかくの休日を台無しにしたくない。
小山から乗った「なすの253」の自由席は1〜5号車まであり、今回は一番端の1号車を選んで乗り込んだ。
平日でも通勤者が多いが、なんとか席を確保。ゆったりと座席に背中を預けて目を閉じる。
時間と体調を金で買う意味で、片道だけの新幹線課金は非常に理にかなった選択だ。

鹿の湯:滞在約1時間での過ごし方
那須塩原駅から路線バスに揺られて坂を登り、湯本2丁目バス停で下車。少し歩くと、目当ての「鹿の湯」が見えてきた。

入浴料500円を払って中へ入る。建物は木造で薄暗く、歴史を感じる渋いたたずまいだ。シャンプーや石鹸などが使えないため、純粋に身体を流して湯に浸かるだけ。持ち物はタオル一本あれば事足りる身軽さもいい。
平日の午前中だったため、混雑具合は普通といったところ。脱衣所がごった返すようなことはなく、自分のペースで動けた。ただ、11時を回ったあたりから徐々に人が増え始め、脱衣所も少し混んできた感じがあった。静かに入りたいなら、午前中の早い時間を狙っていくのが正解だ。
浴室に足を踏み入れると、硫黄の香りと熱気。これだ。この空気を味わいたかったのだ。
鹿の湯の湯船は温度ごとに仕切られており、手前から奥に向かって1度ずつ熱くなっていくような配置になっている。かけ湯をして、まずは手前のぬるめの湯で体を慣らし、少しずつ温度の高い浴槽へ移っていく。
酸性の湯なので、肌にピリッとした刺激がある。この体に効いている刺激がたまらなく良い。
最終的に、普段自宅で入るお風呂の温度にプラス1度したくらいの「44度」の湯船まではなんとか全身を沈めることができた。しかし、その奥にあるさらに熱い浴槽へ挑む気力はわかなかった。無理に入って後で倒れても周囲に迷惑をかけるだけなので、自分の限界であろうラインでやめておく。
湯あたりを避けるため、こまめに湯から上がり、洗面器を裏返して腰掛け、ぼーっと休憩を挟む。これを何度か繰り返しているうちに、あっという間に1時間が経っていた。短時間の滞在ではあるものの、湯のパンチ力がすさまじいため「底まで温泉に浸かりきった」という深い満足感がある。

寄り道①:バターのいとこ(お土産)
強いお湯でさっぱりし、身体の芯まで温まったあとはバスで下山。ランチに向かう前に、お土産の調達に立ち寄る。
バスを湯本2丁目で乗り、田代友愛小学校で下車。
家族からリクエストがあった「バターのいとこ」を購入するためである。

今回は定番のミルク味に加えて、期間限定のホワイトチョコ味も確保できた。
寄り道②:レストラン ハルアンでの絶品ランチ
ここからがランチの時間である。那須まで来たのだから、一休みしつつ食事もしっかりしたものを取りたい。
選んだのはバターのいとこから「田代友愛小学校」バス停へ戻る途中でたまたま見つけた「レストラン ハルアン」だ。

2,970円のロールキャベツのコースを頼む。
運ばれてきた料理は、味付けはもちろん、使われている食材一つひとつへのこだわりが随所に感じられ、次は何が出てくるのだろうと、食べていて純粋に楽しい時間を過ごせた。
店員さんの接客も柔らかく、居心地がいい。全体的に量がしっかりあって、コースを食べ終わる頃には完全に満腹になっていた。
まだ開店して1年半とのことだが、すぐさま予約必須の人気店になるのではないだろうか。
車の場合は食事のあとに話題のカフェへ移動して……と予定を細かく刻んでしまいがちだが、
今回のように路線バスの場合、時間に縛られながらあちこち移動するのは、単に焦りと疲労を生むだけだ。
それなら、今回訪れたハルアンのような上質なレストランに的を絞り、しっかりとしたコース料理を頼んで、
食事から食後のカフェタイムまでを一箇所で完結させてしまったほうがいい。
移動の手間も省けるし、何より腰を落ち着けてゆっくりとした時間を過ごせる。

バスの待ち時間:歩いて100円の節約
大満足でハルアンを出たものの、次のバスが来るまでに中途半端な待ち時間があった。
バス停のベンチでただ突っ立って待っているのも暇なので、最寄りの「田代友愛小学校」バス停から、隣の「上松子」バス停まで2区間だけ歩いてみることにした。
結果として、この徒歩移動によって帰り道の交通費が100円浮いた。
疲労困憊の時に無理して歩くのは本末転倒だが、この時はコース料理で膨れたお腹をこなすのにちょうどいい運動になった。
那須の空気を味わいながら、車でしか通過したことのない道を自分のペースで歩く。
旅行中のちょっとした手持ち無沙汰な時間を、軽い散歩と少額の節約に変換する。こういう自由な行動ができるのは、一人旅の気楽さだ。
当日のルートまとめ・費用メモ
今回の行程を順番に書き出しておく。時刻など細かい部分は省いているが、大まかな流れとしてそのままなぞれるようにした。
| 区間(乗→降) | 手段 | 便名・路線 | 時刻(発→着) | 運賃 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 大宮 → 小山 | JR宇都宮線 | ラピッド | 8:14→ 8:54 | 594円 | |
| 小山 → 那須塩原 | 東北新幹線 | なすの253(自由席1〜5号車)※乗車:1号車 | 9:07→9:32 | 3210円 | 行きだけ新幹線で体力温存 |
| 那須塩原駅 → 湯本2丁目 | 路線バス | 関東自動車バス | 9:40→10:23 | 1170円 | |
| 鹿の湯 | 入浴 | - | (滞在 約1時間) | 500円 | 11時ごろから少し混み始めた |
| 湯本2丁目 → 田代友愛小学校 | 路線バス | 関東自動車バス | 11:43→12:01 | 630円 | バターのいとこ/ハルアン方面 |
| バターのいとこ | 買い物 | - | - | 2160円 | ミルク味/期間限定ホワイトチョコ味 |
| レストラン ハルアン | 食事 | - | - | 2,970円 | ロールキャベツのコース |
| 田代友愛小学校 → 上松子 | 徒歩 | - | (約15分) | - | 2停留所分/バス代100円節約 |
| 上松子 → 黒磯駅 | 路線バス | 関東自動車バス | 13:59→14:15 | 440円 |
締め
車なしの日帰り、しかも公共交通機関のみという縛りでも、本格的な酸性泉と豪華なランチは問題なく両立した。
今回歩いてみてわかったことといえば、鹿の湯へ行く時間帯くらいか。11時ごろから脱衣所などが少し混み始めたので、可能であれば11時より前、午前中の早い時間に到着してサッと入るスケジュールを組むと、より静かにお湯に集中できるはずだ。
移動の負担を減らすため片道だけサクッと新幹線を使い、食事は1箇所で腰を据えて食べる。要所でお金をかけつつも、バスの待ち時間には1区間歩いて100円節約する。こうしたメリハリをきかせることで、制限のある日帰りでも中身の詰まった旅になった。




















































